里さんとの出会い
JOSHAが我が家に来てからすぐに、しつけは自己流であったが始まった。私は犬を飼うのは初めてではなかったが、アメリカで見てきた犬たち、CLAYとBRIGITTEのような関係を築く為に、どんな事をすればよいのか、わからなかった。単にお座りや、お手ができる事ではないような気がしていた。私は疑問を抱きながら、電話帳で犬の訓練に関するページを開いてみた。
なるほど、そこには複数の訓練学校が紹介されていた。私は、とりあえず、ある訓練学校に電話をいれた。基本的な事を教えるのに、3ヶ月間犬を預かるという話だった。費用は月に5万で、3ヶ月で15万円かかる。その時の私には、何故基本的な事を教わるのに3ヶ月間も預けなければいけないのか、またその基本的な事、とは何か、と不思議に思った。しかし、15万円かかるのとなると、ちょっと考えものだ。またアメリカでやっている飼い主も一緒に勉強する、というやり方が、日本にないものか、と他のページも見てみた。そこへ「家庭教師派遣します。」という文字を発見した。私はそこに電話をしてみた。
数日後に、その家庭教師から電話が入った。女の人だったので、ちょっとびっくりした。(訓練士とは男の職業だと思っていたからだ。)とりあえず、家に来てもらう事にした。私はどんな人が来るのだろう、またアメリカ的な訓練ができるか、尋ねるだけ尋ねてみよう、と思っていた。そこへ現れたのは、顔中バンソウコウを貼ったKワゴンに乗った、里さんだった。私は訓練中の大型犬にやられたのかなあ、訓練士も大変だ、と勝手に勘違いをしていた。(この時のバンソウコウは犬の訓練とはまったく関係のないものだという事は、後日知った。)
里さんからまず質問された。
「どんな事を教えたいのですか?」
私はよくわからなかったので、訓練学校に電話して聞いたあの基本的な事、という言葉を使った。
「とりあえず、基本的な事です。」
そしてすかさず、アメリカでの訓練の様子などを話し、できるのであれば、私自身が訓練したい、という事を伝えた。
どんな返事が返ってくるのだろう、という不安とは裏腹に里さんからはOKの返事が返ってきた。調度、里さんもそれまでの犬を預かっての訓練を振り返り、このままで良いのだろうか、と疑問に思っていたらしい。結局、学校で、また訓練士が犬にいろいろな事を教えても、飼い主に返した時、飼い主自身の考え方・犬に対する接し方が変わらなければ、意味がないという。
そして次の週から、JOSHAのトレーニング、私自身のトレーニングが始まるのである。