怪文書


異臭騒ぎが起こった年はマンションが建ってから2年目だった。そろそろ住人同士の顔もわかり始め、と同時に管理組合ではペットを含め、いろいろな問題にも対処しなければならないようになっていた。

その年の理事会では理事長がたまたまマルチーズを飼っているYさんがなった。(問題のマルチーズの飼い主ではない。)理事会とは当然ながら住民代表による組織であり、それぞれが仕事の合間をぬっての活動となるため、理事に入るといろいろと大変である。住民の中にはそんな事もわからず無理難題を押し付ける人も中にはいる。

マンションでの問題1つ1つへの対応策があるのと同時に、ペットに関する問題も理事会の中でとりあげられた。そしてその解決策として私が発起人となったペットクラブの早急な組織作りが求められた。そして、理事会の議事録の中で、クラブ結成の内容が伝えられた。それに対し、「何故理事会がペットクラブを指示するような事をしなければならないのか?」という主旨の怪文書が2度に渡り、理事会に届いた。私も読ませてもらったが、ぞっとするような内容だ。最終的には理事長のYさんを個人的に批判するような内容だった。この年の理事会の任期満了までに後に続くペットクラブの会則を定め、大きく動き出しました。Yさんは任期満了の後、個人的な理由かもしれないのですが、突然引越しをされました。そして今期の理事長もまるちゃん宅がなり、2年連続ペットを持っている人が理事長を勤めているにもかかわらず、こういった怪文書は出なくなりました。
参考のため、以下に記します。



前略
今回、また素直に意見をもうしあげたい。ちなみに、私個人だけでなく、当マンションの住人の多くがそう感じ、思っている事であることを前もって断っておく。個人的にも先日、子供が犬にかまれそうになった事があった関係で筆を執る事にした。

まず、公団・理事の対応の仕方があまりにも遅すぎる事である。


第一、そうであろう。ペットクラブ結成のように、どうしてああいう時期に、何のために作る必要があったのか。他にも問題は山積みしていたはずなのに。ペットを持たない多数の住人の意見も聞かず、よくああいう事ができるものだと思った事だ。(昨年末、理事の中にペットを飼っているものがいて、という話を聞いて、なるほどそういうことだったのかと合点がいったが。また噂によると自分達を正当化するためにその者が中心となって強引に作ったそうだが。)
また、風の便りによると、ベランダにはえさや糞などをそのままにしているところもあると聞く。しかも何食わぬ顔をしているそうだ。もしそれが事実なら、ペットを飼う資格はないだろう。ペットは飼い主に似るというが、そういうマナーの悪い状態が続く中で、どうしてよい共同生活が営みえよう。そして、そういう人たちの集まりでどうしてよい規約を作れるだろうか。(個人的には子供の事もあって犬を外に放置していることに大きな憤りを覚える。)