むさし

私が19歳の頃、むさしはいた。柴犬だ。小犬選びからしたのだが、むさしは兄弟の中で飛びぬけて大きかった。
マンガ「むさしの剣」からむさし≠ニ名づけられた。
しかし、むさしは臆病者だった。

小犬の時、弟がいろんな事をして、むさしをこわがらせたことに原因がある。高いところに乗せて、「ほらほら。」とからかっていた。
ちょっと大きい音がすると、むさしは小屋の中に隠れた。また目の前で猫が自分のご飯を食べていても、無関心だった。
こんな性格だから、番犬にもならなかった。

私は結婚して、横浜に行った。むさしが懐かしかった。しかし、もう会う事はなかった。散歩の途中で行方不明になったらしい。